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はじめに

この文章は在宅勤務環境で「無理なく」「可能な限り生産的に」仕事をするために、皆さんから頂いたアンケート結果や、日々の会話等、様々な知見をもとに作成されたものです。 チームとして生産的に過ごすために個人が行うべき行動を定めた「最低限のルール」と、在宅勤務の生産性を確認する「チェックリスト」、直面しがちな課題をクリアするための指針を記載した「ベストプラクティス」の3つのセクションで構成されています。 みなさんが推奨ルールを守り、ベストプラクティスからご自身の困りごとを解決するためのヒントを得ることで、より良い在宅勤務体験となることを願っています。

最低限のルール

  • 出勤時、退勤時にはチームのチャンネルで宣言し、今日一日やること、やったことを共有しましょう
  • 週の終わりの退勤時に #all_weekly_reports チャンネルで週報を全社に共有しましょう
    • もし余裕があればひとことコメントを是非添えてください:-)
  • 1日に1度は、必ず5分以上雑談の機会が生まれるようにしましょう

チェックリスト

健康管理

  • [ ] 休憩を適度に取れていますか?
  • [ ] 適度に運動できていますか?
  • [ ] 困り事、悩みごとをチームメイトや上司、またはアンケートを通して会社に伝えることができていますか?
  • [ ] 出勤/退勤時にうまく切り替えができていますか?

ファシリティ

  • [ ] インターネット回線はビデオ会議を安定的に行える水準ですか?
  • [ ] 椅子や机は長時間座って作業を行える環境ですか?
  • [ ] Web会議を円滑に行うためのイヤホン、マイク環境を整えていますか?
    • 録画機能や録音機能を用いて、自分の声がどのように聞こえているかを把握していますか?

仕事の進め方

  • [ ] 「伝える」ためのドキュメント、資料を作れていますか?
  • [ ] 1日に1度は雑談を行う機会がありますか?
  • [ ] 週報を用いた振り返りを定期的に行えていますか?
  • [ ] 1日、1週間の作業計画を事前に立て、予実を管理できていますか?
  • [ ] 積極的に自分の仕事の状況を同僚に発信できていますか?
  • [ ] 日々の仕事で生み出す成果物を明確にできていますか?
    • 例えば、「スケジュールを引く」というタスクは、「XXXプロジェクト完了までのガントチャートを引く」「XXXプロジェクトのスプリントバックログを整備する」等の成果物を本来生むはずです

会議の運用

  • [ ] 会議が「最後のひと押し」の場になるように、事前に準備を行えていますか?
  • [ ] 会議が進行すると、成果物が形成されていくようにアジェンダがデザインされていますか?
  • [ ] 形成したい成果物を定めた上で会議を行えていますか?
  • [ ] 議事進行役が必ずいますか?
  • [ ] 会話のキャッチボールは適切で、無線で会話するような会話ができていますか?

ベストプラクティス

ここで記載されているベストプラクティスはあくまで一例です。そのため、各プラクティスから感じられる効果は人それぞれでしょう。 しかし一方で、まずは実践してみることで得られる学びはとても貴重なものです。 各プラクティスから、ご自身が困ったことで試せることはぜひ一度トライしてみることをおすすめします。

健康管理

在宅勤務は、オフィス勤務時と比べて大きく生活習慣が変化します。 移動/空間的な切替が一切なくなり、生活のメリハリを見失いがちです。 良い仕事をするためには何よりも体が資本。自分の体調や変化にいつも以上に気をつけるようにしましょう。

出勤/退勤のルーティン

在宅勤務環境下では出勤と退勤の空間切替がなくなるため、仕事とプライベートの境目が薄くなりがちです。 切替を意識するために、出勤時と退勤時に必ず行う動作を決めておくことをおすすめします。 例えば

  • 出勤時
    • しまっていたパソコンを開く
    • ゆっくりと背伸びをしてストレッチ、深呼吸
    • 出勤宣言、今日やることをチームのSlackチャンネルで共有
  • 退勤時
    • 今日やったことをチームのSlackチャンネルで共有、退勤宣言
    • ゆっくりと背伸びをしてストレッチ、深呼吸
    • パソコンを閉じ、視界に入りにくいところにしまう

など、出勤時と退勤時で真逆の動作を行うことを習慣づけることで切替の儀式としても良いでしょう。 「パソコンを閉じ、視界に入りにくいところにしまう」は、プライベートモードと仕事モードを切り替えるための視覚的な切替を生む効果もあります。

小さな休憩、取っていますか?

オフィス勤務時には、会議室への移動や、お手洗いへの行き帰り、すれ違った同僚との会話など、自然と少しの休憩が生まれる機会がたくさんあります。 在宅勤務時にはこういった少しの休憩が非常に生まれにくくなります。休憩までのインターバルを強制的に設定して、1~2分程の小休憩を意識的に挟んでみることもおすすめです。 ポモドーロテクニックGTD等のタスク管理に関するベストプラクティスに一度トライしても良いでしょう。 タスク管理に関するプラクティスは習慣化に至るまでは難しいものですが、環境が変わったタイミングでトライしてみると新たなリズムを作り出すきっかけを与えてくれます。

体を動かしましょう

通勤やオフィス内での徒歩による運動量は実はバカになりません。筆者の事例ですが、オフィス勤務と在宅勤務で生活代謝(行動で消費するカロリー)は3倍も変わってきます。 現在は室内でも運動できるメニューの動画コンテンツが沢山インターネットに溢れています。代謝や免疫を維持するためにも、適切量の運動を心がけるようにしましょう。

悩みや困りごとは遠慮なく

大きく環境も変化し人の息遣いを感じにくくなる在宅勤務環境では、普段と異なる感情や体調の変化が起こるでしょう。 些細な内容でもチームメイトとの雑談を通した共有、相談を意識してみてください。 もしチームメイトにも相談しにくいことがあれば、毎週送付されているアンケートに是非打ち明けてください。 個人のプライバシーが守られるよう最大限配慮し、解決のために最善を尽くすことをお約束します。

勤務環境、設備

生活環境は、仕事に特化した環境のオフィスと大きく異なるため、どうしてもはかどらないポイントが生まれてしまいます。 こういったギャップを埋めるために投資効果が高いのは「インターネット回線」と「椅子や机の環境」そして「より良い音声環境への投資」の3点です。

インターネット回線の重要性

在宅勤務では、業務上の連携を行うためのテキストコミュニケーション、Web会議などインターネット回線を通して全てのコミュニケーションが行われます。 インターネット回線が安定しないと、ビデオ会議の解像度の低下や、音声の遅延等、コミュニケーションに大きな影響が発生しがちです。 インターネット回線は最も投資対効果が高い領域です。集合住宅の場合は管理会社や大家さんの意向で難しい場合もありますが、固定の光回線を引くようにしましょう。 回線開通手続きは、一軒家の場合は直接NTTやNURO等の回線事業者に、集合住宅の場合は管理会社に問い合わせてください。集合住宅の場合には回線が敷設されていて、契約する事業者が指定されていることも多いです。

椅子・デスク環境

しばらく在宅勤務を続けていると、腰や肩などの凝りを感じ始めるでしょう。 オフィスの机と椅子はオフィスワークに最適なものとして設計されているもので、生活のためのものとは大きく違います。 新品で購入すると非常に高いオフィス家具ですが、オフィスバスターズ楽市等で中古で安く購入することができます。 机はダイニングテーブル等でも代用可能な事が多いですが、椅子は投資対効果も高いため、是非調達するようにしてください。 また、ご自宅がローテーブルを中心とした配置で、椅子を置くことを想定していないというケースも多いでしょう。その際は座椅子とパソコンスタンドの組み合わせがおすすめです。 パソコンスタンドを利用することで姿勢が幾分改善されるようになります。

自分では気づきにくいイヤホンとマイクの重要性

ノートPCにはマイクとスピーカー、Webカメラが標準で搭載されているため何も追加で用意せずにWeb会議に参加することができます。 しかし、このデフォルト環境ではマイクがスピーカーの音を拾ってしまい、「自分以外の人のスピーカーから出る音声あがプツプツ切れてしまう」「ハウリングを起こしてしまいノイズを発生させてしまう」などの問題が起きがちです。 通常ノートPCに搭載されているマイクは「無指向性マイク」と呼ばれるマイクで、全方向の音を収集するためノイズや反響音を拾ってしまい、自身が発した音声を相手が聞き取りにくい状況を生んでしまいがちです。 そのため、会議をする相手のためにも「イヤホン」そして「マイク」を整備するようにしましょう。

  1. 有線イヤホンマイク

  2. 無線イヤホンマイク

    • 問題ないケースも多いものの、無線イヤホンマイクは機種によってはPC接続時に音質が劣化するケースがあるため注意が必要です
    • 選定に自信がなければ、有線イヤホンマイクが最も品質が高くおすすめです
  3. 無線イヤホン or 有線イヤホン + PC内蔵マイク

    • マイク機能を持たないイヤホンを利用し、マイクはPC内蔵マイクを利用します
    • 反響音を拾ってしまうため、音声の安定度はイヤホンマイクには劣りますがハウリングを抑える事が出来るため、PCスピーカーと比べると大きく改善します 以上の順におすすめです。

仕事の進め方

生み出す成果を明確に(ドキュメントを中心に)

オフィスで空間共有している環境では、共有している空気感を元にチームメイトと仕事を進め成果につなげることもできます。 しかし、チャットツールやWeb会議では空気感の伝播が困難です。「いつまでに」「どのような」アウトプットを生み出すのかを計画した上でチームメイトと共有し、生み出したアウトプットを中心にしてコミュニケーション、コラボレーションすることを強く意識しましょう。 例えば、今まで口頭共有していた内容を構造的にまとめて整理したドキュメントにして議論をすることで、自身の思考が整理され、コラボレーションの質を向上させることができます。 「困りごとをまとめたメモ」「背景, 目的, 行動計画, スケジュール, 未決事項, リスクをまとめた文書やスライド」「アイデアリスト」「ガントチャート」等、シーンに応じたアウトプットを軸として社内のチームメイトやお客様、社外のパートナーとコミュニケーションを行い、アウトプットの質を向上させていきましょう。

積極的に、伝えるドキュメントを作りましょう

「生み出す成果を明確に」と関連しますが、ただ単に資料を作るだけでは相手に伝わらないことも多々あります。

  1. 伝えたいメッセージを明確にし
  2. 最も理解を促進できる順番で資料を構成し
  3. 提示する事実を十分、かつ最低限の量収集、記載し
  4. 自身が考える仮説や結論を明確にする

以上の点を意識し、「伝える」「伝わる」ドキュメントを意識して作成しましょう。 今まで資料を作成せずにこなしていた仕事を、ドキュメントワーク中心にすることで見えてくる新たな視野もきっとあるはずです。

細やかな振り返りとクロージングを

リモートワークでは、周囲の同僚から得られていた細かなフィードバックの量がどうしても減少してしまいがちです。 日報/週報/月報を効果的に運用し、

  1. 自身がどれだけのアウトプットを生み出すことができたか
  2. うまく行かなかったことはなにか
  3. これからどのようなアウトプットを生み出すべきか

を定期的に内省するようにしましょう。

特に単位が細かすぎず、頻度高く振り返る事が出来る週報の運用に力を入れることを強くおすすめします。1週間の〆の儀式としての効果もあり、週末への切替としてもとても有用です。 Kibelaで「週報」と検索すると、過去の投稿された週報を一覧することができます。是非参考にしてください。

自己発信はいつもの数倍行ってトントンです

オフィス勤務と違い、間接視野で得られていた同僚の様子や、同僚同士の会話などの間接情報が一切入ってこなくなります。 自分がそのように感じるということは、同僚も同様です。意識的に自己発信を行わないと、チームメイトに認知される機会が激減してしまいます。 「困っていること」「今からやること」「やったこと」「途中の進捗」など、積極的に今何に取り組んでいるのかを発信するようにしましょう。 発言が億劫な方は、Slackステータスを活用するのもおすすめです。

また、「隣の席の人に気軽に声をかける」環境の再現が難しいと感じるかもしれません。 そういうときは、チームで常時音声接続をして仕事をする時間帯を作ったり、勤務中は常時接続するのも有用な手段です。 Google MeetやDiscord、ZoomやTandemを利用することで常時接続環境を聴覚情報はオフィスで得られる内容に近づけていくことができます。

雑談機会を1日に1回は設けましょう

オフィス勤務では、同僚とのすれ違い時や、MTG待ちの時間などふとした瞬間に雑談する機会が生まれますが、在宅勤務ではそういった機会が失われます。 何気ない雑談には相手の人となりを知ったり、仕事を一緒に進める上で心理的な距離を縮める効果があります。チームで雑談タイムを設けたり、MTGを早めに終わらせて最後数分を雑談に割り当てる等、雑談機会を1日に1度は設けるようにしてください。

会議の運用

在宅勤務で最も勝手が変わり、戸惑いを感じるのは会議の運用でしょう。 残念ながら対面での会議と完全に同等の体験を生み出すことができませんが、いくつかの工夫を重ねることで生産性を高く保つことができます。

議論の材料は開始前に事前に出し切り、論点整理をした上で会議に臨みましょう

対面会議では、会議の開始後ホワイトボードを利用しながら情報の共有をはかり、議論の前提を整理をしながら議論を行うことができました。 しかし、在宅勤務環境のWeb会議では音声の遅延がどうしても発生することと、空間やホワイトボードを共有できないことで、自分の考えを相手に伝えるまでに時間がかかってしまいます。 そのため、議論の材料は開始前に事前に出し切った上で、論点整理を済ませ、事前に共有した上で会議に臨みましょう

以下の4ステップを事前に準備することがおすすめですが、議論の重さに応じて準備度合いを変えても構いません。 例えば、「今日のご飯を何にするか決めたい」というようなトピックの場合にはオーバースペックになるはずです

  1. GoogleDocument/GooglePresentationで議論の前提情報を揃えるための資料を作る
    • 前提
    • 会議を通して生み出したい成果物
    • 議論に必要な材料
    • 資料作成者の仮説
    • 想定される論点
      • 想定される論点には、いくつかの決定パターンを作っておく
  2. 事前にレビューをもらい、コメントを確認して論点を整理した上で資料の「想定される論点」をアップデートする
  3. 想定される論点と、会議を通して生み出したい成果物を元にアジェンダを作成する
    • アジェンダは、会議の導入から終盤に進むに従って「生み出したい成果物」が形成されていく用に設計する
  4. 会議参加者の全員が以下の状態になったことを確認し、会議を行う
    • 基本的には資料の説明が不要なレベルまで目を通しておく
    • 疑問質問は全て一度出た状態

また、この4項目はブレストなどのアイデアを発散する場面にはフィットしません。アイデアの発散などの企画創造系のミーティングにおいては

  1. 参加者全員が事前にアイデアをリスト化して準備する
  2. ファシリテーターがアイデアを一つ一つ確認し、GoogleSpreadsheetやGoogleDocumentに書き出していく
  3. 書き出したアイデアのリストを、評価基準を明確にした上で各人で評価を行う
  4. 評価が高いものを重点的に確認し、優先度付をして着手順を決定する
    • 上位20%を優先付したら終了することをおすすめします

のように、事前準備を行った上で議論フェーズをコントロールするとうまく行く傾向にあります。

会議の性質に応じて、会議後に生み出したい成果物が出来上がるための「最後のひと押し」を会議で行えるような事前準備を行いましょう。

チェックイン/チェックアウトの大切さ

在宅勤務環境においては会議室の移動が発生しないため、会議の開始と終了の境目がわからなくなりがちです。 会議の開始時には必ず挨拶をする、会議の終了時には手を降って退室するなど、チェックインとチェックアウトの自分なりのルーティンを実施することでメリハリをつけることができます。 会議の空気感をポジティブに保つためにも効果が高いケースが多いため、是非実践してみてください。

ビデオは極力ONにしましょう

Web会議では、会議参加者の反応がわからず、闇を相手に喋っている感覚になりがちです。 会議相手のためにも、極力ビデオはONにすることが望ましいです。しかし、生活空間を見られたくない気持ちも強いでしょう。(ですので、強制するものではありません) そういうときはカメラをオフにしても構いませんし、SnapCamera等を利用するのも手です。 ただし、評価面談などの真剣にお互いについて議論をするようなケースでは、可能な限りビデオをONにする工夫をしてください。

議事進行者を設定し、いつも以上にハンドリングを!

Web会議では音声の遅延が発生し、ボディランゲージを掴んだり、表情を理解することがとても難しい状況になります。 そのため必ず議事進行者を設定し、いつも以上に議論のハンドリングを強力に行ってください。 また、遅延が発生するため同時発言で音声がかぶり、何を言っているのかわからない状態になりがちです。

Web会議では、発言のボール(オーナーシップ)を明確にし、キャッチボールを行うように発言をしましょう。

例えば、発言したい内容があるときには「XXXですが、一点お伺いしたいことがあります」と一言発言し、ファシリテーターや現在の発言者の許可を得て発言するようにしたり、「AAAですが、BBBさんに質問です。CCCについてどのように思いますか?見解をお伺いしたいです」など「誰が」「誰に対して」「何を聞き」「欲しい回答を明示する」ことで、会話のターンを明確にし、キャッチボールをスムーズに行うことが出来るようになります。(無線で会話しているイメージで会話すると良いです) 議事進行者は以下の3点を実施することで、Web会議でも円滑に会議を行える可能性が向上します。

  1. 議論に必要な発言材料を収集しきり
  2. 意見表明を募った上で
  3. 決定提案を行う

是非トライしてみてください。

最後に

長い文章をご覧いただきありがとうございました! 在宅勤務はオフィス勤務と大きく異なり工夫しないといけない事がたくさんありますが、それに応じたメリットも享受することができます。 最後にあらためてとなりますが、日々改善を積み重ね、皆さんの在宅勤務体験がより良いものになることを願っています。