LTのネタ探しに困ってませんか。
メタ認知という考え方があります。これを知っていると、LTのネタ探しに困らなくなります。なんだかわからないので、ChatGPTに聞いてみましょう。
メタ認知は、自分自身の思考や知識に対して意識を持ち、理解する能力のことです。つまり、自分が何を知っていて、どのように考えているのかを把握することができます。具体的には、以下のようなことがメタ認知に関連します。
- 自分の理解度や困難さを把握すること
- 問題や課題に対してどのような戦略を使っているのかを認識すること
- 学習や問題解決の効果を評価すること
- 自分自身の思考過程を反省し、必要な修正を行うこと
メタ認知を高めることによって、より効果的な学習や問題解決が可能となります。自己認識の力を磨くことで、自分の思考や感情を管理し、自己成長や発展につなげることができます。
自分は、主観の後ろにもう一人の自分を置いて、次の行動に対してのおおいなヒントを与えてくれる神的な存在として捉えています。
こういうと胡散臭いですが、これに気がついたのは、ヴィパッサナー瞑想という一昔前に流行ったマインドフルネスの原点に当たる瞑想方法をやっている時でした。
これを端的にいうと、ひたすら自分を観察し、湧き出てくる考えをスルーし続ける瞑想方法です。そうすると自分が何かしらに対して反射的に反応した際に、メタ的な目線から反応を抑制することができます。これを応用することで、自分の行動を観察し、ネタに困らなくなります。
何言ってんだこいつといわないでください。 ここからは、私がこれに気がついた過程についてお話しします。
ギャンブル好きのバンドマンの友達と岐阜にある笠松競馬に行った時の話です、関係ないですが、オグリキャップがデビューした競馬場です。その時はド平日、1レースの30分前から現地のじいさんに混ざって現地の競馬新聞を購入し、自分の経験と勘を用いて全レース楽しみました。
二人揃って全レース外しました。1万くらい負けました。自分は早く岐阜駅に戻って酒飲んで忘れよう、と言った記憶があります。そこで友達が言った一言が始まりでした。
「負けたらドス黒い感情が蠢いた結果、曲ができるから実質プラス」
最初何言ってんだこいつ…と思っていたのですが、
項目 | 自分 | 友達 |
---|---|---|
感情 | 競馬に負けてムカつく | 競馬に負けてムカつく |
ネクストアクション | 酒飲んで忘れる | 感情を曲に変換する |
こう見ると、精神的勝利を含めてトータルでの勝利は彼です。彼は次の行動を見据えていました。私はただムカついていただけでした。自分の感情を観察し、次の行動を決めること、これを習慣化することで、自分のアクションをコントロールできるようになります。これがメタ認知だと確信しました。
以下はインタビュー結果です。
- 100円の売り上げがあった
- ストリーミング再生の申請は意外と簡単にできることを知った
- 100円売り上げても2000円以上無いと振り込まれないから、うまくいけば2年後に振り込まれる
- 曲を作る過程で感情および買い目をフィードバックし、次の賭博に備えた
- 感情を含めてトータルでは実質勝利した
私の完敗です、彼は競馬に負けても本質的には勝利していました。これがメタ認知です。
つまりメタ認知をしながら生活すれば、LTで5分話す程度のことはそこら中にネタが転がっていると言っていいでしょう。賭博に負けたら曲作るノリを仕事に生かしましょう、仕事でやらかしたらポストモーテム1を書いて、それをやらかしLT大会とかで発表すればいい。
私はこの考え方を応用することで、最終的にテックブログの記事3本とLTで5分話すネタを生み出しました。具体例と共に説明します。
Cronitorというジョブ監視のSaaSを使っていました。これは、ジョブの実行結果を受け取って、エラーがあったら通知してくれるサービスです。
これを使っていたのですが、ジョブが増えてくると、どのジョブがどのCronitorに紐づいているのかわからなくなってきました。ライブラリを見ると、エクスポートとインポートのAPIがあるのを確認したので、コード化を行いました。
これによって、ジョブの増減に伴ってCronitorの管理が一時的に楽になりました。これを記事にしました2。
OSSのライブラリの内部でタイムアウト値が10秒で、ジョブが増えるごとにタイムアウトが増えました。そこで、社内のPrivateリポジトリにForkして値を書き換えることで解消しました。
しかし、普段CIとして使っているリポジトリからPrivateリポジトリをCloneしてpip install
するという間抜けなCIがどうしても嫌でした。deploy keyの管理もあり、たかがジョブ監視のためになにやってんだろうと思いました。
他にも色々細かい系の問題があったので、リアルタイムに現場で苦労してる系な記事を書きました3。
タイムアウト値については公式で対応して欲しかったので、PRを投げました。わずか数行のコード変更と、それに伴うドキュメントの修正でしたが、これが人生初のOSSコントリビュートでした。OSSというとつよつよなエンジニアがやっているイメージでしたが、案外簡単にできるものなんだなと思いました。これを記事にしました4。
どうでしょうか、これ会社のブログに書けるなというメタ認知を常に持って仕事に取り組みました。普通に素でやっていたら苦しい作業を供養することで、割と楽しく仕事ができたと思います。これをテックブログ駆動生活と呼んでいます。LT駆動生活の亜種ですね。ただ仕事をしているだけなのに、外部発信もたくさんできる、会社のプレゼンスも上がる、上司もニッコリ、いいことしかない。
このようにメタ認知をすることで、ネタをキャッチアップすることができます。これを習慣化することで、ネタ探しに困らなくなります。これがLT駆動生活です。
ここまで読んでいただけたらわかる通り、LT以外にも応用できますね。何のネタだしにも使えます。これであなたもネタ貴族です。あとはスライドを作って話すだけです。
Footnotes
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ポストモーテムとは:インシデントや不具合をやらかしたときの事後検証のこと。 ↩
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cronジョブ監視サービスCronitorの設定をコード管理してCI/CDする https://made.livesense.co.jp/entry/2023/04/05/080000 ↩
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マイナーなSaaSのCIを作っているんだが俺はもうダメかもしれない https://made.livesense.co.jp/entry/2023/07/12/080000 ↩
-
初めてOSSにコントリビュートした話 https://made.livesense.co.jp/entry/2023/09/28/080000 ↩